第一章: 全ては「緑のフィンカ(農園)」から始まりました

Kapitel1 Finca header


1986年2月、その数か月前に南スペインに別荘として購入したフィンカを、パートナーのクルトと訪れました。初めてアンダルシアに足を踏み入れた私は、まるで土地自体が果物の香りをまとっているようなオレンジの香りに驚きました。32年経った今でも、冬の透明で強烈な光、夏のきらめくような猛暑に魔法にかけられたように感じます。フィンカのテラスからは、遠くにジブラルタル海峡とモロッコのアトラス山脈を眺めることができます。

aloe vera leaf santaverde 440x239

「もうちょっとカントリー風の物件は無いのかな」 クルトが不動産会社の担当者に聞いたのは、案内されたゴルフ場の横に建ったばかりの現代的なリゾートマンションを見ながらでした。そして、その後に紹介されたのが「フィンカ・ヴェルデ=緑のフィンカ」だったのです。もちろんすぐに気に入りました。丘の上に建つ古いマナーハウスに、広大な農地とお庭のプールが一緒についてきました。

 

後になって、沢山の人から「なぜフィンカを即決で買ったの?」と聞かれますが、そのたびにクルトは「直観かな」と答えていました。そして今でもファーストインスピレーションが正しかったと思います。リノベーションが必要になった時もまるで「冒険」しているような気分になりましたが、何よりもフィンカの周りの光と風景に魅了され続けてきました。そして今思うのが、このフィンカは単なる別荘ではなく、私たちのもう一つの故郷なのだということです。

 

フィンカには、私たちのマナーハウス以外にも、そばに馬小屋もありました。アンダルシア地方特有の真っ白な石灰で壁が塗られ、テラコッタの美しい屋根、重く古い木でつくられた窓枠、真夏の猛暑から守ってくれる建物です。